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粗砕機のトラブル
粗砕機や粉砕機を使用している際、「モータが回らない」「逆回転する」「異音がする」というトラブルが発生する場合があります。また、「粉砕物の状態が悪い」「処理能力が小さい」といったケースも。ここでは、粗砕機や粉砕機の使用におけるトラブルの原因や対処法について紹介します。
粗砕機のトラブルQ&A
粗砕機や粉砕機ではさまざまなトラブルが考えられます。想定されるトラブルごとに考えられる原因と対処法を記載していますので、確認しておきましょう。
なお、機械の点検や確認を行う場合は、事故防止のため必ず電源とブレーカーをオフにしてから作業を始めます。また、分解点検が必要な場合は電気や機械における専門の知識が必要。事故や故障を防ぐため、分解メンテナンスについては最寄りのメーカー拠点へ相談しましょう。
機械・モータが回らない
機械やモータが回らない原因はいくつか考えられます。
- 欠相している
→電源や結線を確認する
- 操作盤や電源スイッチの接触不良
→接触部を調整する
- ヒューズが断線している
→ヒューズを取り替える
- 操作スイッチの過負荷継電器が作動している
→操作スイッチを点検する
- 材料や異物がかみ込んでいる
→粉砕室内を点検する
- 安全スイッチが作動している
→安全スイッチを確認する
上記に該当している可能性がないかを確認し、必要に応じて対応しましょう。
モータは回るが、機械が回らない
モータは回るものの機械が回らないという場合、ベルトなどの伝動部品に原因があることが多いようです。
- ベルトが切れている
→ベルトを取り替える
- ベルトがスリップしている
→ベルト交換を行うか、ベルトの張り調整を行う
- そもそもベルトを付け忘れている
→Vベルトを取り付ける
また、プーリにキーが入っていない可能性もあります。確認し、プーリにキーを入れてください。
機械が逆回転する
逆回転してしまう場合は、結線誤りの可能性があります。結線とは、機械の部品を結んで回路を構成している配線のことをいいます。配線が誤っていると逆回転する可能性があるため、二相入替を行い正しく配線しましょう。
負荷をかけると機械が止まる
粗砕機に負荷をかけると機械が止まってしまう場合、操作スイッチや安全スイッチ、材料に問題があることが考えられます。
- 操作スイッチの作動不良
→接触部を確認する
- 安全スイッチが入っている
→安全スイッチを確認する
- 投入する材料に問題がある(量・大きさ)
→量大きさを改善する。投入量が多すぎる場合は調整が必要。また、材料が大きすぎる場合は前処理にて小さくする。場合によっては大形機への交換もおすすめ
- 回転方向や刃が逆になっている
→回転方向や刃を正しい方向へ直す
- 刃の摩耗・損傷
→刃を研磨する
- 操作スイッチのサーマルリレー作動
→操作スイッチを点検する
- 軸の損傷
→軸を取り替える
- 回転部が焼き付いている
→内部の分解点検が必要。メーカーサポートを受ける
機械から異音がする
稼働中に粗砕機や粉砕機から異音がする場合は、刃や部品の不具合や異物混入などが考えられます。
- 刃が接触している
→クリアランス調整を行う
- ボルトやナット、キーなどの緩み
→各部を点検し、緩んでいる場合は増し締めを行う
- ベルトの張りすぎ・緩み
→ベルトが正しい張りになるように調整する
- 粉砕室内への異物混入
→異物を取り除く
機械が振動する
稼働中に粗砕機や粉砕機が振動する場合、まずは据付不良となっていないかを確認しましょう。不安定な場所に設置されていると振動の原因となるため、安定して水平状態を保てることが重要です。
また、以下の不良がないかも確認します。
- ボルトやナット、キーなどの緩み
→各部の点検を行い、必要に応じて増し締めする
- 軸や軸受の摩耗・偏心
→摩耗や偏心が認められる場合はメーカーサポートを受ける
- 軸受やオイルシールの損傷・異物混入・グリス不足
→内部点検を行い、必要に応じて取替えやグリス給油を行う
粉砕物の状態が悪い(ヒゲが出る、粉末が多い)
粉砕物にヒゲが出る・粉末が多いという場合は刃や回転方向に問題がある可能性が考えられます。
- 刃のクリアランスが適正でない
→クリアランス調整を行う
- 刃の取付けが逆向きになっている
→刃を正しく取付ける
- 刃先が摩耗している
→刃を交換する、または研磨する(メーカーサポートを受ける)
- 回転方向が逆向きになっている
→正しい回転になるよう設定する
粉砕物の状態が悪い(長いものが出る)
粉砕物に長いものが出てしまう場合、スクリーンや回転方向に問題があることが多いようです。
- 回転方向が逆向きになっている
→回転方向を正しく設定する
- スクリーンの穴径が大きい
→メーカーサポートを受ける
- 斜穴スクリーンが逆向きになっている
→正しい方向へ取付ける
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処理能力が小さい
粉砕しているものの処理能力が小さい場合は以下のような原因が考えられます。
- 刃先が摩耗している
→刃を交換する、あるいは研磨するためメーカーサポートを受ける
- 材料の喰い込みが悪い
→ブリッジを起こしている可能性があります。最寄りのメーカー拠点への相談が必要です
- スクリーンの穴径が小さい
→最寄りのメーカー拠点に相談しましょう
- 材料の比重が軽い
→最寄りのメーカー拠点に相談しましょう